3. Hoffmanのソーラーラジオ:KP706

・ホフマンの太陽電池で動作するラジオです。ホフマン社は1960年ごろには高効率の太陽電池パネルを商品化しており、このラジオも自社の太陽電池パネルで動作するようにして付加価値をつけたのでしょう。何種類か商品化しており、このラジオはその代表的なものだと思います。1960年ごろの製造です。4ボルトの乾電池でも動作するようになっています。



・セット上面に太陽電池パネルが貼り付けてあります。ラジオはそれほど大きくありません。縦・横・高さは約9cm、14.5cm、4.5cmです。比較のために隣に単1乾電池を並べてみました。



・リアカバーをはずしたところです。日本製のラジオと比べるとプリント配線板のパターンが太く、しっかり作られているように思います。



・シャーシーを筐体から取り出したところです。スピーカーも基板側についており、キャビネット側にネジ止めしてあることが多い日本製のラジオとは少し感じが異なります。また、エアーバリコンも基板上にネジ止めされており、うまくまとめられたラジオだと思います。



・上部から見たところです。太陽電池パネルは12個のセルで構成されており直列接続されているようです。太陽にあててみると5.5V前後の電圧が出ています。ラジオを動作させある程度の音量を出したときには4.3V程度に下がります。製造後40十年以上も経っているにもかかわらず、きちんと発電し、ラジオを動作させることができるのはさすがです。



・反対側から見たところです。



・ケースの裏側の乾電池とソーラーバッテリーとの切り替えスイッチです。その下の銀色の丸いボタンは電池蓋で、これをスライドさせると蓋が開きます。



・Hoffman Electronics Corp. とあります。



・裏蓋の内側に貼付してある部品配置図です。


2. GENERAL ELECTRIC のP-850Bです。

・Vest Pocket Portable Radio という別名のP-850Bです。クロームメッキが施されたダイカスト製のケースに入った気品あふれるラジオです。持ち上げると、ずっしりと重たいです。



・後ろから見たところです。



・付属のケースに入れたところです。



・内部の写真です。コンパクトにうまくまとまっています。プリント基板は両面基板です。4.5Vの円筒形アルカリ電池を使用します。



・基板をケースから取り出したところです。



・スピーカーです。なかなか良い音の出るマグネチックスピーカーです。なお、よく見ると、コードが3本出ているのがわかると思います。これはプッシュプル用のマグネチックスピーカーなのです。したがって、出力トランスの1次側にじかにこのスピーカーを取り付け音出しが出来、出力トランスが不要な分、コストダウンになるというわけです。



・裏蓋の内側に貼付されている機銘板です。



・ラジオ、キャリングケース、イヤフォン、イヤフォンの耳掛け、アルカリ電池が同梱されているケースです。



1. GENERAL ELECTRIC のP-800シリーズです。
・P-805A(左)とP-806A(右)です。805Aと806Aは色が異なるだけで内部は同じです。このラジオはダイナミックスピーカーが用いられていますが、下記の807はマグネチックスピーカーです。スピーカーグリルに幾何学的な線が入っており、目を引きます。



・P-808H(左)とP-807E(右)です。807は黒色、808は白色、809は緑色です。HタイプはEタイプの改良型のようです。いずれもマグネチックスピーカーが使用されており、出力トランスがないのと、マグネチックスピーカーが軽量なため、全体の重さはかなり軽くなっています。




・背面の様子です。中央上部の穴はイヤフォンジャックです。下部の黒く見えるのは裏蓋を止めているネジです。



・P-805Aの内部です。上に掲げたラジオのうちではこのラジオが一番古く、最も重たいです。コストも一番かかっていると思われます。



・内部を横から覗いたところですが、大きなIFT(中間周波数トランス)や出力トランスが目に付きます。スピーカーはダイナミック式で、出力はトランジスタ1石のA級シングルドライブのようです。真空管式ポータブルラジオの真空管をそのままトランジスタに置き換えたイメージでしょうか。なかなか良い音が出ます。



・P-808Eの内部の写真です。P-805Aと比べずいぶん軽くなっています。スピーカーはマグネチックタイプ(写真を別途、最後のほうに掲載しています)を使用しており、出力トランスはありません。IFTも一般的な小型のものに変更されています。



・P-808Hの内部写真です。プリント基板が小型化されています。基板上のパタンも実にすっきりしているのに気づきます。



・なぜこのようにすっきりしたのか、基板を取り外してみました。ごらんのように、モジュール化された子基板をメイン基板に載せるという方法をとっているため、裏側から見るとパタンがすっきりして見えるのでした。使用されているマグネチックスピーカーにしても、真空管式の並4ラジオに付いているようなU字型のマグネットは用いずに、実にコンパクトに仕上げています。音質的にも並4ラジオのスピーカーよりはよほどまともな音が出ます。



・モジュール化された子基板のクローズアップです。GEのマークが入ったトランジスタも見えます。



・スピーカーです。正面から見たところは並4ラジオについているマグネチックスピーカーと大差ありません。



・このようなバッテリーで動作します。電圧は9Vです。大きさは単3乾電池を9個(3個x3個)ならべたのとほぼ同じ大きさです。


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