・ICF-SW7600です。90年2月に発売されました。標準価格39800円でした。LW/MW/SWとFMステレオが受信できます。SW1に比べ筐体が大きな分、良い音がします。SSBの受信も可能です。欠点といえばSW1同様プリセットできる局が少ないことでしょうか。単三乾電池4本で動作します。SW1は単三電池2本で動作していたため、電池が少しへたるとバックライトのLED(緑色)がすぐに点灯しなくなりましたが、本機は電池4本ですのでこの点は助かっています。



・内部です。昔のソリッドステートイレブン(TFM110)のように基板の上を何本もジャンパー線が飛び交うようなことはなく、すっきりしています。バーアンテナも長く、AMの感度もなかなかよろしい。出張時には、かさばるためいつもSW1のほうを持ってゆきますが、やはりコンパクトな分、バーアンテナの長さにも限度があり、感度が悪いのが残念です(とはいえ、SW1にはアクティブアンテナが付属しているので、それを接続すれば結構高感度です。ただし、これはかさばるので持って行きません)。



・表のカバーをはずしたところです。このように、本機は筐体からすっぽりと取り外すことができ、メンテナンスのしやすさが向上しています。電池を抜いても時計はこの通り長時間動いているのも助かります。



・この写真のように、同調周波数を微調整できるのが特徴です。また、サイドバンドもUSB、LSBと切り替えて受信することができます。



・このようなケースが付属していますが、持ち運び専用で、ソリッドステートイレブンのようにケースに入れたままラジオを聞くということはできません。パワースイッチのロック解除スイッチやスライド式ボリュームがサイドに付いており、ケースに入れる際に擦れてボリュームがMAXになってしまったり、ロックが解除されてしまって持ち運びの途中で電源が入ってしまうことが何度かありました。



以下、2020年6月11日追加。
・FMが受信できない(ノイズは出ている)、また、AM受信時にはサーッというノイズが入るということで修理しました。


・リアカバーを外して内部を見たところです。見えているのは信号基板です。特にいじられた形跡はありません。ケミコンはこの基板の反対側についているのですが、それらのケミコンから漏れ出た電解液が基板のスルーホールを伝ってこちらの面にも広がっていました。その結果、FMの局発が発振しておらず、他の回路も影響を受けていることがわかりました。


・筐体からシャーシーを取り出したところです。見えているのはマイコン基板とスピーカーです。この裏側に信号基板が付いています。


・信号基板を取り外したところです。信号基板とマイコン基板は1本のフレキシブルケーブルで接続されているだけなので取り外しは簡単です。すべてのケミコンを取り外し、漏れ出た電解液をクリーニングし、新たにコンデンサをマウントする必要があります。


・すべてのチップ電解コンデンサを取り外しました。写真ではちょっとわかりづらいですがケミコンが付いていた周辺のパタンが腐食したり電解液が残っています。リードタイプのケミコンからは液漏れしていなかったのと、それほど劣化していなかったので今回は交換しないことにしました(写真に見える円筒形の3個のケミコン)。


・基板をクリーニング後コンデンサをマウントし終わったところです。容量が最大でも100μFだったため、すべてチップセラミックコンデンサに置き換えました。極性を気にする必要が無く、ケミコンに比べて小型のためマウントしやすいです。なお、大容量のチップセラミックコンデンサは両極間に印加される電圧が高くなるにつれ容量が極端に減少するので要注意です。例えば100μ/10Vのチップセラコンに10Vを加えると容量は半分以下になってしまいます。なので、電位差がある回路に使うセラコンはできるだけ耐圧が大きいものを選ぶ必要があります。また、音質を気にする人にはケミコンを使う方がよいでしょう。この後再調整したところ、AM、FMとも受信するようになりました。


メールはjnkei@yahoo.co.jpへ

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