ICF-8650です
・パイロットと管制官の音声交信を傍受できる業務用エアバンドレシーバー“アビエーション”です。1979年3月に54,800円で発売されました。確かに業務用を謳っているだけあってちょっと高価ですね。3局プリセット可能なため、待ち受け受信や瞬時に周波数を切り替えることが可能です。レベルメーターも視認性に優れた配色となっており、見た目も格好がよろしい。エアバンド受信はデュアルコンバージョン・スーパーヘテロダイン方式を採用し、イメージ妨害特性に優れているそうです。デジタル周波数カウンターがついているのもうれしい機能です。MW、FM、エアーバンドともに受信周波数を表示します。このカウンターを動作させると消費電力が増えるため、表示をON/OFFできるスイッチがついています。




・セットを立てた状態です。スピーカーは下部についております。つまみは左から順に、ボリューム、スケルチ(エアーバンド受信時のみ動作)、トーンコントロール、3個のエアーバンド用プリセットボリューム、一番右側の大きなつまみが選局つまみです。



・天面側からとった写真です。中央の蓋は電池カバーで、この中に単1乾電池を8個収納します。左下の端子はアンテナとアース端子です。右側の端子は上から、イヤフォン、録音用出力、外部電源入力端子です。



・入手したときのエアーバンド受信時の様子です。選局ができず、カウンター表示もごらんのようにでたらめな値を示しています。なんだかICF-6800の不良症状と似ていますね。



・修理するために本体をケースから取り出したところです。乾電池ホルダーが大きな面積を占めています。



・下側から撮った写真です。大きな音を出したときにビビリ音が発生するのを抑えるためか、やたらとスポンジテープが貼られています。経年変化で一部、べとべとになっています。



・スポンジを取り去ったところです。上部にMW用のバーアンテナが見えますが、それほど長くないようです。右側のたてに細長い基板がオーディオ・電源基板です。左側の大きな基板がメイン基板です。



・メイン基板の裏側(パターン面)です。白いプーリーが2個見えますが、1つはMW/FMのバリコン駆動用、もうひとつはエアーバンド選局用で、こちらはバリコンではなくボリューム(可変抵抗)を駆動します。これらがダイアル糸で連動して回転します。



・エアーバンド部分のシールド板を取り去ったところです。不良箇所はこの部分にありました。不良部品を交換することにより、エアーバンドは受信できるようになりました。しかし、まだ周波数カウンターが正常に動作しません。原因はカウンターモジュールにあると判断し、モジュールを分解することにします。



・カウンターモジュールを分解しているところです。厳重にシールドされています。



・正面左側に見える大きなクリスタルは500kHzのものです。NDKとあるので日本電波工業のものでしょう。クリスタルは正常に発振していましたが、近くの部品が経年変化により半田付け不良を起こしていたのが今回の不良の原因だったようです。



・再半田することにより、表示も正常に戻りました。


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