・ICF-SW55
シンセサイザー方式のラジオはあまり興味がなく、保有台数も少ないのですが、ICF-SW55を修理する機会が何度かあり、写真を撮ったので一部載せることにしました。ICF-SW55はICF-SW1やICF-SW77同様経年変化で内部のケミコンが液漏れをおこし、漏れ出た電解液でパターンやスルーホールの腐食、断線、パターン間のショート(絶縁度劣化)等により受信不能に落ちいるようです。 現時点で動作していても、今後不具合を引き起こす可能性があるので、早めにケミコンは交換しておいた方が良いように思います。ケミコン交換時の注意点としてはケミコンを外したあと、周囲に広がっている電解液をいかにきれいにふき取れるかが成功のカギになってきます。
英文ですがサービスマニュアルはネットでダウンロードできます。たとえば、
http://elektrotanya.com/?q=showresult
からダウンロードできます。検索すると他にもダウンロード可能なサイトがあるようです。

・正面から見たところです。本機は電池を装填すると時計は表示しますがラジオは動作しませんでした。ON直後に勝手に電源がおちてしまいます。


・後ろから見たところです。

・内部の様子です。この写真では判りませんが、表面(部品面)に付いているケミコンから漏れ出た電解液が基板のスルーホールを伝って裏面にまで達しています。 見えている基板はメイン基板(信号基板)です。

・シャーシを取り出し正面から見たところです。見えているのはキーボード基板とその上に載っている灰色のゴム製のキーです。

・ゴム製のキーを取り去ったところです。このキーボード基板の下にマイコン基板があります。

・マイコン基板をはずしました。基板の下にスピーカーが隠れていました。スピーカーの下にメイン基板(信号基板)があります。



・メイン基板のケミコン付近の拡大写真です。ケミコンの足のところから電解液が漏れ出しています。腐食が進んでいるとケミコンはほんの少し力を加えただけでポロリと取れてしまいます。ケミコンが付いていた跡はひどい状態になっています。


・ケミコン交換し終わり動作チェックをしているところです。



ケミコンを交換後、通電してみると、たいていの場合、何とか動作する状態になっていますが、完璧とまでは行かないことが多いです。その原因のひとつは、拭き取れたと思っていた電解液がわずかに残っていたためです。イヤホンジャックなどの端子の下やICの下まで入り込んでいる電解液はなかなか除去しにくいです。何度かクリーニングを繰り返し、低温保存やちょっと湿度の高いところに保存後の動作チェックを繰り返し、やっと満足できるレベルになりました。

・取り外したケミコンです。電解液が手や衣服に付かないように注意してください。





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