・TR-74です

・昭和32年に発売された7石2バンドトランジスタラジオです。中波と短波が受信できます。単1乾電池4本で動作します。上部に選局ダイアル、その両端にスイッチ兼ボリュームつまみ(左側)と選局つまみ(右側)があります。正面と背面が同じデザインです。金色に輝く枠の中に赤くSonyのロゴが彫りこまれたエンブレムが正面と背面のセンターに付けられておりアクセントとなっています。


・取っ手を正面に倒してラジオを斜めに置いたところです。銀色のつまみが2個見えていますが、左のつまみはロッドアンテナです。伸ばすと約90cmあります。右側のつまみはバンド切り替えスイッチで、押し込んだ状態が中波、引き出すと短波が受信できます。


・内部の写真です。左右にバッテリーホルダーがあります。プリント基板は2枚構成で、上部にあるのがコイルパックと呼ばれている、モジュール基板です。下部にある大きな基板はIF以降、低周波アンプまでの回路が入っています。裏付け線材や部品がないのはさすがです(後のソリッドステートイレブンと呼ばれたTFM-110Fなどは基板の裏面に線材がいっぱい走っており、パターンが見えないほどです。いくら技術の裏付けとはいえ、こんなに裏づけが多いとメンテする気力がおきません)。 バーアンテナも十分に長くこれなら微弱な電波も良く拾いそうですね。


・リアカバーを内側から見たところです。中央部は穴が開いており、後方にも音が出るようになっております。




・コイルパック部分の拡大です。この部分には珍しいソニー製トランジスタ2T2001が使われております。当時は高周波(短波受信のための)特性のそろったトランジスタがなかなかできず、トランジスタとその周りの定数をいろいろ変えながら1台1台組み立てて行ったものと思われます。そのため、このモジュールもトランジスタとその周辺の部品は裏側から変更できるようになっています。




・機銘板です。このラジオ(TR-74)は発売開始は昭和32年ですが、この機銘板を見るとSONY CORPORATIONとなっており、昭和33年に作られたものではないかと思われます(ソニーは昭和33年1月に社名を東通工からソニーに変更しています)。




・エムブレムのアップです。




・回路図があったので載せました。IFブロック以降の回路が載っています。NPNトランジスタを用いているため回路図も見やすいです。




・コイルパック部分です。




メールはjnkei@yahoo.co.jpへ

・・・・・もどる・・・・・