3.オイルコンには要注意

ラジオや総合アンプを修理していると、オイルコンやペーパーコンが多用されています。中でも、1次側のライン間に挿入されている場合や、電源スイッチのスパークキラーに用いられている場合には、迷わずにそのオイルコン・ペーパーコンを取り外し、安全規格を満たしているフィルムコンやセラミックコンデンサに置き換えることをお勧めします。
・左の回路図は以前修理した総合アンプ(レシーバー)の1次側の回路です。コンデンサAはACアウトレットにパラに入っているコンデンサ、Bは電源スイッチにバラに入っているコンデンサです。コンデンサAの両端には常に交流100Vが加わっております。コンデンサBにはセットがOFF状態の時に交流電圧がかかります。一般的に、2次側でパスコンや、バイパスに用いられる場合にはDC電圧が加わることがおおく、コンデンサーに流れる電流も小さいですが1次側に用いる場合には流れる電流も相対的に大きく、コンデンサによっては発熱によりパンクするものもあります。PCB入りのオイルコンであれば周囲にアルミ箔だけでなくPCBも飛び散ります。

・オイルコンがパンクしてしまっている様子を撮影したものです。これは、上記の回路図のAに当るコンデンサです。交換後スイッチを入れていた時には何事もなかったのですが、スイッチを切った状態で(ACコンセントは差し込んだまま)食事から戻ってみると上記回路のBに当るコンデンサがパンクしていました。長期間使用しないでいる間に劣化が進んだのが原因でしょうか。


・取り出したオイルコンです。容量は0.05uF。400WVと書かれています。


・1次側に使用可能なコンデンサです。ヨーロッパ各国、カナダ、アメリカの安全規格が取得されていることを示すマークが印刷されています。1次側のライン間に挿入するコンデンサで、アクロスコン(アクロス・ザ・ライン・コンデンサ)と呼ばれています。


・このコンデンサもカナダ(CSA)およびアメリカ(UL)の規格が取得できているというマークが印刷されています。


・このコンデンサは1次側のラインと2次側(グランド)間に挿入するコンデンサで、各国の安全規格が取れています。ライン・バイパス・コンデンサと呼んでいます。

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