・ICF1100

・ICF1100です。ソリッドステート・ザ11という愛称で1971年3月21日に発売されました。定価15300円でした。FET1石、トランジスタ10石とICを1個使用しています。ICF110と比べると性能がさらによくなっております。外形はほんの少し大きくなりました。個人的には以前のTFM110やICF110のほうが好みです。ICF1100はまず、高級感がありません。以前のものは文字が刻印されており消えることはありませんでしたが、1100は印刷に変わっています。また、本体上部のアルミパネルの材質が悪いためか、アルミが錆びてくるし、印刷された文字は消えるし、始末に悪いです。左側のボリュームも気に入らないです。従来はボリュームの目盛りの窓があったのに、今回は廃止されてしまいました。


・キャリングケースに入った状態です。ソリッドステート11やIC11はケースから取り出すのにロッドアンテナを立てる必要があったり、少し取り外しが面倒でした。ザ・イレブンはその点は少しましで、電池の交換も容易です。


・チューニングメーターとダイヤルスケールの部分です。ダイヤルスケールの右側にAFCのON/OFFスイッチがついたため、IC11よりも更に使いやすくなっています。ダイヤルランプはこのスイッチとダイヤルスケールの間に配置されており、LIGHT釦を押すと、チューニングメーターとダイヤルスケールが同時に照射されるという、大変合理的な構造になっております。チューニングつまみを回すと、ダイヤルフィルムが動き、スケール上の数字(周波数)を移動させて選局します。ユーザーにとっては大変見やすく、使いやすいのですが、構造は大変複雑。ダイヤルの糸かけも大変なのはIC11と大差ありません。


・IC11との違いはいくつかあります。サイドに化粧板が付いたことで印象がかなり変わって見えます。また、入出力端子がサイドにまとめられています。従来機(ソリッドステート11やIC11)のショルダーベルトはキャリングケース側についていましたが、このモデルはセット本体側に付けるようになっています。




・トーンコントロールに関しても、従来機が高域のみを可変するタイプだったのに対し、BASS/TREBLEのコントロールが可能な本格的なものになりました。また、リアパネルには外部アンテナ端子がついており、短波も受信しやすくなりました。




・修理のしやすさに少し改善が見られます。従来機種は基板を取り出す際、スピーが本体側に付いていたために半田ごてでスピーカーへの線をはずすか、スピーカーをはずし、ぶらぶらした状態で点検する必要がありました。ICF1100はその点は考慮されていて、カバーのビス4本をはずせば中身はそっくり取り出せるようになりました。




・後ろ側から見たところです。



従来機との比較です。
                          発売年月日   定価
TFM110(ソリッドステート・イレブン)     1965年春     12500円
ICF110(ソリッドステートICイレブン)     1970年春     14800円
ICF1100(ソリッドステート・ザ・イレブン)   1971年春     15300円
となっています。


・手前から順に、TFM110F、ICF110B、ICF1100です。



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