・ICF2001です。1980年1月にVOICE OF JAPANというネーミングで49,800円で発売されました。動作させるには単一乾電池3本(4.5V)とメモリーバックアップ用に単三乾電池が2本必要です。AMは150kHz-29999kHz、FMは76MHz-108MHzをカバーする高感度な受信機です。以前、まともに動作していたときの性能はなかなかのものでした。1990年ごろ調子が悪くなり始めました。ラジオを聞いていると次第に液晶の表示画面が薄くなりなじめ、数秒で動作が止まってしまうのです。そうなると、乾電池をすべてとりはずし、1分ほど待ってから電池を入れなおす必要があります。こういった症状が何度もでるようになり、ソニーサービスに修理に出しましたがLCDモジュールの不良で修理不能といわれてしまいました。このラジオの欠点は単一乾電池を入れておくだけでラジオをONにしなくても電池がなくなってゆくことです(OFF状態でも0.1mA弱の電流を消費しています)。電源OFF状態ではできるだけ電流が流れないように設計すべきでしょう。メモリープリセットできる局の数が少なく(AM、FM合わせて6局しかプリセットできない)、コンピューター用電池(単3乾電池2個)を抜き去ると一瞬でメモリーが消えてしまうことも改善してほしい点ですね。
・ICF2001の内部です。線材が入り組んでいて、手がつけられません。不良といわれたLCDモジュールを取り出そうと試みましたがあきらめました。
ところで、AMラジオのバーアンテナが見当たらないのですがどこにあるのでしょう?
・バーアンテナは右端に縦に置かれていました。長さも60mmしかありません。これでは感度は低いでしょう。まあ、外部アンテナ端子があるのでアンテナを張ればよいのですが。尚,ご覧になってわかると思いますが、このラジオを立てた状態(一番上の写真のように)で使用するとバーアンテナは上下方向を向きますので大変感度が悪くなります。どうしてこのような設計になったのでしょうか。
・スピーカーを取り外し、リアカバーも取り外したところです。
・やっとこれで基板の裏側が見えるようになりました。今回の不良原因は接触不良でした。したがって、ソニーサービスが言っていた「LCDモジュールの不良で修理不能」というのは間違いでした、というか、古い機種で場合によっては交換部品もない可能性が高いものは適当な理由を付けてチェックもあまりせずに返却ということなのでしょう。サービス部門としては製造終了後一定の期間が過ぎたモデルに対しては工数をかけないという方針だとおもわれ、当然といえば当然ですね。
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