





参考文献
STUDER-REVOX-PRINT
WISS SOUND A PUBLICATION BY STUDER INTERNATIONAL AG
From prototype to world exports Walter Krein
その他
ルボックスのテープレコーダーは手軽に良い音をというところから出発していますので、アンプとスピーカーを内蔵したモデル(ポータブルモデルと呼ばれています)も存在します。A77にはアンプ基板を挿入するコネクタがもともと用意されています。基板を挿入するだけでポータブルモデルではスピーカーから音が出ます。外部スピーカージャックにプラグを差し込むと自動的に外部に切り替わります。ポータブルモデルの概観は本ページの最上部の写真をご覧ください。
ポータブルモデルのスピーカー配置の様子です。筐体の左右にスピーカーが2個ずつ付いているのがわかります。ステレオ再生できますが、音像の定位とか再生帯域が気になる人は聞かないほうが良いでしょう。これ一台あればわずらわしい接続も気にすることなく気軽に何処ででも音楽が楽しめます。セット本体のサイズはmk2,3,4とも同じなのでどのタイプのA77でも組み込むことができます。私が入手したポータブルモデルは2トラック、9.5cm/19cmのmk2でした。















こんな感じです。まだショートに至っていないコンデンサでもよく見るとケースにクラックが入っているものが多いです。これはそのうちショートに至ります。実際の回路図をここに載せます。電源部分等の回路図も含まれていますがFのブロックが該当する回路です。

・14ピンのICが不良だったため、やむなく変換基板を作って修理した例です。この写真ではRifaのフィルムコンを日本製のフィルムコンに変えています(矢印で示す黒い角型のコンデンサ。なお、Rifaのコンデンサを置き換える場合、AC125VもしくはAC250Vの安全規格承認品の使用をお勧めします)。また、パワートランジスタも交換しています。写真右下に写っている14ピンのICは基板からはずしたものです。
こんな感じで変換基板を作りました。ICは一般的な8ピン2個入りオペアンプで代用できると思います。私はたまたま手元にあった4580を使いました。ソケットに差し込めるようにしておき、今後純正のICが手に入ったときには交換する予定です。

・A77の各基板に多く使われているボリュームです。このボリュームの接点不良が意外に多いです。経年変化で摺動接点部分の金属が劣化し、折れてしまいます。写真のボリュームも摺動接点部分が途中の曲げている部分から折れてなくなっています。こうなるとボリュームを交換するしかありません。A77もかなり後期になってからは構造の異なるボリュームを採用していますが、大半のA77には写真にあるようなタイプのボリュームが使われていると思います。できればすべて交換した方がよいでしょう。交換しない場合、調整時にポロリと折れてしまうこともありますので注意してください。折れないまでも、接点圧がかなり弱まっているため、ノイズの発生源になることがあります。