7.AMラジオの音声周波数特性:AMラジオのf特はどれくらい延びているのでしょう。
  IFが狭帯域と広帯域、f特にどのような差が出るのでしょう。
  並4、スーパー、トランジスタラジオを調べてみました。

・まずは並4(ナナオラ)、球式スーパー(トリオHF-11:帯域切り替えができる)、トランジスタラジオ(ICF-1100)を比べてみます。

・スィープ信号をAM変調し、各ラジオのアンテナ端子に接続します。
一番上の信号はベースバンドの(変調する前の)スィープ信号です。左端の20Hzの信号の先端が大きくなっていますが、これは、ここでオシロのトリガーをかけるためにわざと1サイクルだけ大きくなっているのです。
2番目はナナオラの64Bという並4ラジオのスピーカー端子での特性、3番目と4番目がトリオのHF-11です。一番下はトランジスタラジオを代表してICF-1100を測定しています。意外に並4ラジオのf特が延びている事がわかります。HF-11は狭帯域にすると高域のf特が少し落ちますが、低域のf特は変化しません。高域のf特もあまり落としすぎると、もごもごした音になり、聞き取りづらくなります。高域のf特をさらに落とす場合(もっと狭帯域のIFTを使用する場合)には、低域もカットする必要が出てきます。トランジスタラジオのf特はそれほど延びていない事がわかりました。短波帯では選択度もある程度要求されるためこのような特性になっているのでしょうか。


・次に、BCLラジオでIF帯域が切り替えられるラジオの特性を比べてみましょう。


左側がソニーのICF-6800、右側が松下のRF-B30です。機種間で設計思想の違いがわかります。どちらも狭帯域にすると高域のf特はぐっと落ちますが、低域はどうでしょうか。ソニーの場合には低域のf特も高域に連動させて落としていますが、松下の場合には、広帯域、狭帯域にかかわらす最初から低域のf特を落としています。つまり、松下の場合は、広帯域で音楽を聴いていも低音があまりでないという事になります。大きなフェライトマグネットが付いたスピーカーが付属しているのに少し惜しいような気がしますが、コストを考えると仕方がなかったのでしょうか。ソニーの場合は狭帯域にするとBPF(バンドパスフィルター)をとおる仕掛けになっておりますが、反転増幅器になっているために、広帯域と狭帯域とでは信号の極性が反転してしまっています。

ICF-6800とRF-B30の写真はこちらのページに載せてあります。本ページに戻る場合にはブラウザの“戻る”ボタンをクリックしてください。
ICF-6800のページ
RF-B30が載っているページ
メールはjnkei@yahoo.co.jpへ

・・・・・もどる・・・・・