・イヤホンあれこれ

・上の2つは同じような外観をしていますが、片方はクリスタルイヤホン(クリスタルレシーバー)、もう一方はセラミックイヤホンです。最近はクリスタルイヤホンを見かける機会は少なくなりました。秋葉原でクリスタルと称して売られているものも大半はセラミックタイプです。下の列は左からダイナミックタイプ、マグネチックタイプ、一番右がソニーの独特の形をしたマグネチックイヤホンです。ダイナミックタイプは最近のインナー・イヤータイプのヘッドホンに採用されていることからもわかる通り音質的に優れています。インピーダンスは数十オームです。昔のラジオのイヤフォンジャックに挿して聞く場合には、感度が高すぎるため、ボリュームをかなり絞る必要があるのですが、ボリュームを絞ってゆくと、相対的にホワイトノイズ(サーっという音)が気になってきます。従来のマグネチックイヤホンのほうが使いよいかもしれません。


・上の2つの同じように見えるイヤホンも中をのぞいてみると違いがはっきりわかります。左側は金色に輝く真鍮の板(振動板)が見えますが、右側はもっこりと膨らんだアルミの振動板の真中にポツッと突起が見えます。左側がセラミック、右側がクリスタルイヤホンです。


・左側がセラミック、右側がクリスタルイヤホンです。クリスタルイヤフォンのほうにはCRYSTAL RECEIVERと書かれています。


・写真のイヤフォンは、左側は東芝6TP-357に付属していたもの、右側はソニーのTR-72に付属していたものです。TR-72といえば昭和30年の年末に発売されたソニーを代表するラジオのひとつです。50年以上も前のラジオに耳掛け式のイヤフォンが付属していたとは驚きです。これらの耳掛け式イヤフォンは写真を良く見ていただくと判りますが、決して先端を耳の穴にねじ込むようにはなっていません。耳のそばで鳴らし、圧迫感のない音を楽しめるように工夫されています。ソニーのものは先端のアタッチメントを先端の長いものに取り替えれば耳穴に挿入することにより外来音をシャットし騒音下でも聞き取りやすくできる工夫がされています。これに比べれば現在のヘッドフォンは工夫がなさ過ぎるのでは。TR-72のページにこのイヤフォンの取説を載せていますのでご覧になってください。


・これはモトローラのトランジスタラジオに同梱されていたイヤフォンです。形状を見ると、先端を耳の穴に挿入して聞くタイプではなく、耳のそばにかざしてイヤフォンからの音を聞くという使い方をするのでしょう。実際試してみると、周囲が騒がしくなければ、圧迫感のない音で聞くことができ、これはこれでよいイヤフォンだと思います。


・イヤフォンではありませんが、セラミックイヤフォンが出てきたついでに、セラミックカートリッジの写真を載せました。ナガオカの MODEL NC-200 です。


・アルミ製のカンチレバーの上下にそれぞれSP用とLP用の針がついており、レバーを180度回転させることにより、針を選びます。セラミックは湿気にも強く、当時のクリスタルカートリッジがほとんど使えなくなっているのに対し、こちらはまだ、問題なく使えます。


・ついでにクリスタル・ピックアップの写真です。これはステレオ用で、78回転用とLP用にそれぞれ針がついています。



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